ひまわりのたね通信

平成22年度地方財政審議会議事要旨

総務省では平成22年度地方財政審議会の会議議事要旨を発表しています。

以下、要旨を抜粋


〇 地方財政審議会は、子ども手当は全額国費とすべき、との意見を出している。23年度の子ども手当は、地方財政審議会の意見にもかかわらず、地方負担が残ることになり残念。
→ 5大臣会合では、国庫補助負担金の一般財源化を前提に子ども手当を全額国費とする案も含めて検討したが、22年度と同様の地方負担が継続することになった。
  24年度以降の子ども手当に関しては国と地方の代表者による会議の場を開催予定。この中で子ども手当及び関連する現物サービスに係る国と地方の役割分担や費用負担について協議することになる。

〇 24年度以降は多額の住民税の増収が発生する。住民税の増収は、直接子ども手当にあてるのではなく、地方財政審議会の意見のとおり、他の補助金の一般財源化に活用すべき。
→ 国と地方の会議の場において、子ども手当と関連する現物サービスに係る国と地方の役割分担や費用負担について地方と十分協議する予定。この中で、住民税の取扱いについても検討予定。地方の理解が重要と認識。

〇 子ども手当から学校給食費を納付することができる仕組みについて、そもそも子育てを社会全体で支えるのであれば、学校給食費を無料にすべきではないか。学校給食費も教育の一環としてとらえるべき。

〇 地域自主戦略交付金(いわゆる一括交付金)制度の創設に当たり、個別法の改正は必要ないのか。北海道や沖縄分の扱いはどうするのか。
→ 内閣府設置法の改正は必要であるが、その他の各法については改正を行わず、従来の法律・要綱に沿って実施する。あわせて、内閣府から各省へ、国の関与や補助要件の緩和を求めていくこととしている。沖縄分は、「目」が別立てになっており、客観指標を導入せず、今までの予算等を配慮して総額を決定している。北海道・離島・奄美分については、「目」は同一だが各地域振興法の経緯を考慮することとしている。

〇 一括交付金のパイが決められていて、地方自治体はその中でメニューを選ぶのであれば、総額が重要となる。一括交付金のメニューの拡充も必要と考える。次のステップとして、平成24年度はどういう制度設計にするのか。
→ 投資分野の一括交付金を市町村にも拡大する等して1兆円程度とし、また経常分野に拡大することとされている。

〇 港湾法の改正に関し、今後重厚長大産業から脱却する以上、日本に国際コンテナ戦略港湾を作る必要性はあるのだろうか。今後は、レアメタルや生鮮食品等の輸送手段として、飛行機が活躍する時代であり、ハブ空港の整備により力を注ぐべきではないのか。また、コンテナ取扱貨物量の議論のみならず、コンテナも含めた貨物総量の取扱金額ベースの議論を行うべきと思う。

〇 新幹線整備に伴い、「在来並行線」を第三セクター化することになるが、地方団体にとっては大きな課題となり、問題が残るのではないか。

〇 個人所得課税の見直しに関する地方税の影響額はどの程度か。
→ 平年度ベースで、給与所得控除の見直しで約300億円の増収、退職所得に係る個人住民税の10%の税額控除の廃止により約170億円の増収、成年扶養控除の見直しで約330億円の増収等が見込まれている。

〇 国税である法人税については、法人実効税率を引き下げるとともに財源確保のための課税ベースの拡大措置を講じたが、これら法人税改正に伴う地方税収への影響をどのように考えているか。
→ 法人住民税では法人税の税率の引下げと課税ベースの拡大の差引で減収が生じる。
  一方、法人事業税では税率引下げがなく、課税ベースの拡大の措置で増収となる。
この結果、地方法人関係全体では平年度で約300億円の増収が見込まれ、全体として地方の税収に極力影響を与えないよう配慮することができたと考えている。

〇 法人実効税率の引下げの措置を講じたが、租税負担だけでなく、社会保険料負担などを考慮すれば、日本の法人の負担は、諸外国と比べ、必ずしも高いとは言えないのではないか。

〇 法人税の税率引下げと併せ、課税ベースの拡大を図ったとのことだが、その内容は減価償却費の算入の見直しなど、税の繰延べ措置も多く、課税ベースの拡大と果たして言えるのか。
→  いろいろな考え方はあると思うが、法人に対するさまざまな特例による影響をどのように計算するかは難しい面があるため、地方税についても国税の特例に合わせて整理したところである。

 こども手当に関しては、24年度から国と地方の会議の場において十分協議する。となっていますが、その協議の場が未だ法制化されていないのが現状であり、その点が懸念されるところです。

 一括交付金に関しては、23年度は都道府県にて実施され、24年度からは市町村へ順次拡大するという事となっています。自由枠の拡大とそれに伴う法整備が進まなければ、意味のないものとなりかねません。やはりここでも地方と国の協議の場の法制化が必要となってきます。

 税部門では、個人所得税が増税で法人税は減税となりますが、法人税引き下げによる影響は、地方でそれほど大きな影響がでるかどうかは不透明なところです。中小零細企業が多くを占めるこの地域に、法人税率引き下げがどれほどの効果があるかはわかりませんが、地方が活性化する政策とは思えません。海外企業の誘致としての側面があることは事実ですが、それができなければあまり意味のないものとなってしまうのではないでしょうか。

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