今年度の可児市の目玉として注目されることは、従前では総務部におかれていた財政課が企画部へ移行したことです。
大したことないじゃない?と思われるかもしれませんが、昨年まで総務部は、事務事業一般の全体の管理を行いながら、行政ではもっとも重要な仕事の一つの税に関わる部分(課税・徴税)と市民の生命・財産を守る防災安全、財産の適正管理を図り契約事務を行う管材部門、窓口業務などを所管していました。その中でも財政は、各課が出してくる事業予算に対して、その事業の効果を考慮しながら予算交渉や査定を行う心臓部分で、国でいう財務省(旧大蔵省)と同じ立場であり、財布の紐を握る重要なポジションとなります。
今年度その財政は、財政課として企画部に組み入れられ、市の頭脳として機能している総合政策課と連携し、「政策決定=財政担保」⇒事業決定⇒事業実施 という流れになり、今後は頭脳と心臓が一体となることにより、よりスムーズでスピード感のある事業運営ができるということだと私は理解しています。
その財政課の取り組みは、プロセスの「見える化」を推進するため、予算編成過程を公開し市民の意見を集約することで予算へ反映させることや、可児市のサービスを他市と比較することで「市民サービスの見える化白書」を作成するなど、事業の財源やサービス水準を市民が理解しやすい環境にすることを重点としています。
また、行政評価懇談会を設置し「子育て支援」「高齢者福祉」「高齢者の健康、いきがいづくり」「地域経済の活性化」をテーマとして政策ごとに事務事業を点検し見直しにつなげようという新たな取組がなされます。これには大きな期待がかかるところですが、本来議会でもしっかりと行わなければならない仕事です。
事業仕分に関しても、「議会がきちんと事業の事後評価をしていれば、事業仕分けは必要ない。議会や議員に問題がある」という意見が多くあり、議員と市民では議会の機能に対して認識ギャップが感じられます。事業仕分けが市民にとって身近に感じられている一方で、議会は身近ではないと距離感を感じているようです。
とにかく、執行部が新しい取組みを始めた可児市において、議会は従前通りでは市民の理解を得ることは難しいのが現実です。
残された任期はあと僅かですが、今できること、やらなければならないことをしっかりと確実にすることが必要です。
文教福祉委員会で実践出来ればと準備を進めています。
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