税と社会保障の一体改革に関するセミナーに参加しました。
先般、与謝野経済財政担当大臣は1日の閣議で、社会保障制度の見直しとともに、消費税率を2010年代半ばまでに段階的に10%まで引き上げることを盛り込んだ、社会保障と税の一体改革案を報告し、菅総理大臣は、実現に向け野党側に協議を呼びかける考えを示しました。
社会保障は一種の保険で、収めた額をすべて受け取れるというわけではないのですが、現在の制度は税金でそれを支えています。その中で世代間格差も生まれ、今のままだと、現在70歳以上の高齢者は支払額の8.3倍受け取るのに対して、20歳以下の若者は2.3倍受け取るに過ぎないことになります。
既に保険料だけでは増大する年金支払額や医療費をカバーすることは出来ず、国庫からの支出でかろうじて回しているという状態です。日本の社会保障の規模は平成22年度で約100兆円となっており、他方財源として保険料で徴収できるのは59兆円、残りの40兆円は税収から補填しています。将来的には現役世代が減少し、保険料収入は減る一方ですが、給付の方は増え続けます。そこで消費税の増税ということになるようですが、日本の現状は個人資産が下がり続けており、さらに現金は住宅ローンなどを差し引くと1200兆円ほどであり、国と地方自治体の借金が増え続ける現状では、消費税はいずれ15%以上にするほかないとのことでした。
それを補うために経済成長を第一の柱にして政策を打つべし、がセミナーでの結論となりました。
2年前、民主党はマニフェストで消費税改革について以下のように示しています。
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消費税に対する国民の信頼を得るために、その税収を決して財政赤字の穴埋めには使わないということを約束した上で、国民に確実に還元することになる社会保障以外に充てないことを法律上も会計上も明確にします。
具体的には、現行の税率5%を維持し、税収全額相当分を年金財源に充当します。将来的には、すべての国民に対して一定程度の年金を保障する「最低保障年金」や国民皆保険を担保する「医療費」など、最低限のセーフティネットを確実に提供するための財源とします。
税率については、社会保障目的税化やその使途である基礎的社会保障制度の抜本的な改革が検討の前提となります。その上で、引き上げ幅や使途を明らかにして国民の審判を受け、具体化します
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退職を迎える国民の76.5%が年金に期待するというアンケート結果があります。税と社会保障の一体改革を具体的に示し、マニフェストの信憑性を損なうことなく国民の納得がいく説明をもって修正を行い、国民の審判を仰ぐことが政治不信を取り戻す近道のように感じます。今のままでは政治自体が国益を大きく損なう結果となってしまうのではないでしょうか。復興最優先が政治家の保身優先では国が良くなるわけがありません。
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