菅前総理の最後の仕事として8月24日に行われた第30次地方制度調査会の内容が公表されました。片山前総務大臣にとっても思い入れが深い調査会がスタートしたわけですが、その内容も把握していない川端大臣では今後の展開に大きな不安が付きまといます。
その概要は以下の通りです
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1 地方議会制度
(1)地方議会の会期
・ 地方公共団体の議会について、条例により、定例会・臨時会の区分を設けず、通年の会期とすることができることとする。
※ 通年の会期とは、1月中において条例で定める日から翌年の当該日の前日までを会期とするもの。
※ 通年の会期を選択した場合、議会は会議を開く定例日(毎月1日以上)を条例で定める。一方、長は随時会議の開催を請求できることとする。
※ 長等の議場への出席義務については、定例日の審議及び議案の審議に限定。
(2)臨時会の招集権
・ 議長等の臨時会の招集請求に対して長が招集しないときは、議長が臨時会を招集することができることとする。
(3)議会運営
・ 委員会に関する規定を簡素化し、委員の選任等に関する事項を条例に委任する。
・ 本会議においても、公聴会の開催、参考人の招致をすることができることとする。
2 議会と長との関係
(1)再議制度
・ 一般再議の対象を条例・予算以外の議決事件に拡大する。
※ 条例・予算以外の議決の再議決要件は過半数とする。
・ 収支不能再議を廃止する。
(2)専決処分
・ 副知事及び副市町村長の選任を対象から除外する。
・ 条例・予算の専決処分について議会が不承認としたときは、長は条例改正案の提出、補正予算の提出など必要な措置を講じなければならないこととする。
(3)条例公布
・ 長は、条例の送付を受けた日から20 日以内に再議に付す等の措置を講ずる場合を除き、当該条例の公布を行わなければならないこととする。
3 直接請求制度
・ 解散・解職の請求に必要な署名数要件を緩和する。
※ 現行 :有権者数の3分の1(40万を超える部分については6分の1)
→ 改正後:有権者数の3分の1(16万から40万の部分については6分の1、
40万を超える部分については10分の1)
・ 条例制定・改廃請求の対象から地方税の賦課徴収等を除外している規定を削除する。
4 住民投票制度の創設
・ 大規模な公の施設の設置について、条例で定めるところにより、住民投票に付することができることとする。
※ 条例で定める大規模な公の施設の設置を議会が承認した後、住民投票を実施し、住民投票で過半数の同意がなければ、当該公の施設は設置できない。
5 国等による違法確認訴訟制度の創設
・ 国等が是正の要求等をした場合に、地方公共団体がこれに応じた措置を講じず、かつ、国地方係争処理委員会への審査の申出もしないとき等に、国等は違法確認訴訟を提起することができることとする。
6 一部事務組合・広域連合等
・ 一部事務組合等からの脱退の手続を簡素化する。
・ 一部事務組合の議会を構成団体の議会をもって組織することができることとする。
・ 広域連合に執行機関として長に代えて理事会を置くことができることとする。
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先日も報告しましたが、菅総理の諮問を受けて地方制度調査会が動き出しました。
地方自治法の改正に向けて白熱した論戦がスタートしたわけですが、答申後が問題で、官僚の抵抗によりそのほとんどが骨抜き状態なる事が予想されます。
今回の議会に関する点では、阿久根市や名古屋市、大阪府など長と議会の対立により、法律の矛盾点を見直そうとするものなので、是非、即刻実行してもらいたい事柄ばかりです。地方議会の改革も地方自治法の改正を睨んでの活動となります。
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