10月22日に東京の明治薬科大学剛堂会館で行われた地科学研究会が主催した「議員定数・報酬の在り方」の研修報告をアップします。
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<田口一博先生、廣瀬和彦先生>
地方自治法の改正により人口と議員定数は関係が無くなった。議員定数の大合唱が各地で行われているが、本来地方自治を強化して行く上で議員の定数を減らすことは、その意味から逆行している。子育て施策を充実させるとしている自治体が、その関係職員を減らしているようなものだ。
定数に関して住民の理解をどう得るか、無関心だった住民がマスコミ報道などにより関心を持つようになり感情のもつれが起きている。
住民の負託を受けている議会が住民の多様な意見を議会で反映するためには、議会の役割を住民にしっかりと説明する必要があり、議会の公聴広報活動を担保する必要がある。また、政務調査費の削減は議会力の低下に繋がる。
政治家が市民の声を聞くということから、市民が我々の声を聞けというように変わってきた。もっと20代30代の意見を聞くことが大切だ。選挙に行かない人の声をどう聞くかが今後の課題であり、議員としてではなく議会としていかに行動するかが問題であり、議会全体の活動を担保する必要がある。
議員報酬は一律でなくてもよい。過疎地、過密地域がはっきりとしてきたため、多様な対応をすベきだ。議員報酬は生活給として考えることは、住民が認めるかは難しい状況だが、名誉職的なものであってはならない、働いたら働いた分だけもらえるようにならなければ、年齢分布が歪になる。
今年の統一地方選挙で就職と勘違いした若者が多く議員になった。初任給としては高額だが議員年金も廃止となりその身分は不安定なものだ。
報酬に関しては、長の給与を参考にし基準とし、その格差を考え活動日数の算定をすべきでる。ちなみに会津若松市議会は月54万280円、年額860万円を算定し上限とした。
地方議会は会議日数が少なすぎる。住民の負託を受けた議会の本質を忘れてはいけない。閉会中の活動をどうするか、今の会期が正しいかどうかを考える時期で、会期の延長や通年議会などを導入すべき時だ。
等々の講師の話があった。
可児市議会においても今年度行った市議会に関するアンケート調査の中で、議員報酬と定数に関しては議会にとって厳しい調査結果となった。定数に関しては回答を頂いた810件のうち38.3%が多いと回答し、報酬に関しては43.6%が多いと回答している。今後はこの調査結果に対して、議会として現定数と報酬に関してその根拠を示さなければならない責任がある。この度発足した議会基本条例特別委員会においてもそのあたりを調査・研究を進めていくこととなる。
地方自治法の抜本改正により今後の地方議会は多様な形式をもつものと変化して行くことが予想される。今までのように人口に対して定数上限が決められていたり、人口1万人に議員一人といったような安易な定義ではなく、その自治体の財政規模や事務量、特別会計の数や市単事業の数など、あらゆる要素によりその位置付けが変わってくるのが地方議会である。市民からの負託に対し応えることが出来ない議会ではその存在価値が薄れても仕方のないことだ。今後とも市民の負託や疑義に対して誠実に答えることができる議会を作る事を目的とし、議員個人ではなく議会としての資質を上げていくことが至上命題であり、それが可児市議会のミッションであると再確認する機会となった。
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今後とも市民から信頼される議会の構築を目指して活動していきます。
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