演劇は苦手というかあまり興味が湧かないのと、数度観劇したものが理解できないものだったため、今では全く見ることはありませんが、舞台芸術のなかで唯一好んで見るのが、柄にもなくミュージカルです。
ちょうど今から20年ほど前、視察を兼ねたアメリカ旅行の折に、本場のミュージカル「オペラ座の怪人」を観劇したおり、その雰囲気と豪華さに言葉も解らないのにいたく感激しました。幕間にはドレスアップした淑女、紳士がカクテルを片手に語り合う姿がとてもカッコよく、日本へ帰ったら再度日本語のミュージカルを見てみたいと思い、劇団四季のミュージカルを中心に何十回も観劇し、仲間の間ではちょっとしたミュージカル通でとおっていました。
ここのところは、忙しさと積極的に付き合ってくれる相手がいない事もあって(映画のようにおじさんが一人で行くのもどうかと思って)劇場に足を運んではいませんが、車のCDでちょくちょく聞いています。
今日は可児市の市民ミュージカル「君といた夏〜スタンドバイミー可児〜」の上演があり、予定も空いていたので観劇に出かけました。
感想は、正直驚きました。
今まで見たミュージカル、たとえば「オペラ座の怪人」ではプロの絶対的歌唱力と数億円の衣装、見る者を圧倒する舞台装置が魅力です。「キャッツ」では人の浮世を猫の世界に描写したストーリーと凝った小道具や、猫たちの演技やダンスは一度見ただけでは見切れません。「クレイジーフォーユー」では、タップダンスをはじめとする圧倒的なダンスシーン。「コーラスライン」「ジーザス・クライスト=スーパースター」では歌とダンスの絶妙なバランス。「美女と野獣」ではディズニーアニメを忠実に舞台上で再現する技術力など、それぞれが見る者を飽きさせることなくキャスティングを変えたり、何度見ても違った発見があるのがミュージカルです。
「君といた夏」は、決して派手さがあるわけでも、ずば抜けた歌唱力、目を見張る舞台装置があるわけでもないのに、舞台に引き込まれました。ストーリーもちょうど自分の子どもの頃と重なる内容で、当時の世相をうまく表現しながら、あちこちにちりばめられており、大変親しみやすいミュージカルでした。市民ミュージカルを見るのは初めてでしたが、これもまたいいものですね。出演した市民の皆さんとアーラに拍手喝采です。
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