ひまわりのたね通信

可児市議会に議会基本条例はなぜ必要か

  先日、市民の方から「とある議員が、議会基本条例なんて必要ない。作る理由がない。ただのパフォーマンスだ。との趣旨の発言をしていたよ」との話を聞きました。自分の耳を疑いたくなる話ですが、直接聞いたわけではないのでスルーします。今一度その必要性について個人的な意見を述べます。

  可児市議会の議会改革の歴史はともかく、昨年行った「議会改革のためのアンケート調査」では、64.2%の方が、市議会議員の活動内容を知らないと答え、あなたの意見や市民の声が市議会に反映されていると思いますか、との問いに92.3%の方が、思わない・わからないと答えました。
  極めつけは、あなたは市議会議員に自分たちの意見や要望を伝えたことがありますか、との問いに90%の方が、伝えたことがないと回答しています。

  これでは、議会が市民から信頼されたものになっているとは言い難く、特別委員会でも議論した議会のあるべき姿を「市民の信頼にこたえる議会」に行きつくまでには、まだ相当の時間を必要とする現実があります。
  その議会の活動を担保するために議会基本条例は、市民と議会の契約として可児市議会では必須の条例であるため、その制定を目的として特別委員会が設置されました。

  西日本新聞の前田隆夫氏は、地方議会の課題と役割について以下のように発言されています。


身近な市議会議員や市議会が、なぜ信頼されないのか。
そこには「議員が本来やるべき活動をしていない」「要望に対して議会が応えない」といった不平、不満がある。「多額の財政支出を伴う事業や街の計画が知らない間に決まっていた」という声をよく聞く。議員や議会が信頼されないのは、「何をしているのかがわからない」という市民の率直な疑問があるからだ。

選ぶ側の市民と選ばれる側の議員のお互いが見えていない。コミュニケーションが取れていない。対話していない。そのような両者に、信頼関係など成り立つはずがない。

もう一つ大事なのは、議会の中で徹底した討論を行うことだが、残念なことに県議会から村議会まで大小問わず、議員同士が議論している場面になかなか出くわさない。執行部に対して「ああしろ、こうしろ」と声高に注文する議員は多いが、議員同士で侃侃諤々の議論をしない。議員間で自由な討議ができれば、市民の議会に対する信頼度はぐっと上がるだろう。

「自治の力とは何か?」という問いに対して福嶋浩彦氏は「意見や利害が対立する人と合意する力」と答えている。人々が共同生活を営む上で、いろいろな対立がある。それを話し合いの力によって解決していく。これが自治の原点であって、豊かな自治を築くためには、多様な民意を基盤とする議会の討論がなければならない。その合意形成の手続きを定めるのが自治基本条例であり、議会基本条例である。

  今一度全議員に対して、アンケート調査結果とこの文章をしっかりと頭に入れてもらうよう要請したいと思います。

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