先日、知人で企業経営者の方から「介護ビジネスに参入を検討しているが現状はどうか話を聞きたい」との申し入れがあったので介護の現状について懇談をし、 先方から「まだバクッとした話なので可児市の現状を聞きたい」と言われたので、正しい現状を認識してもらうため説明をしました。
介護ビジネスの可児市の現状については、現在特別養護老人ホームについては、今年160床ほどがオープンしたため今後はその予定がないこと、入所施設に関しては医療法人や社会福祉法人でないと運営は厳しい状況であること、ディサービスは飽和状態であること、ショートステイ、小規模多機能、グルーホームは足らない状況であること、最も重要な課題が訪問介護の充実であり、可児市では訪問入浴サービスをする事業者は存在しないことや、訪問介護、特に24時間対応型のサービス提供が今後の大きな課題となることなどを説明しました。
施設介護から在宅介護への転換が必要な時代となって来ました。介護をする側(家族)からすると入所施設へ入れてしまえばあとは安心という事も理解できますが、それでは介護保険は維持できません。また人の尊厳という問題とも向き合わなければなりません。
在宅で極力介護を行い最後の時を看取ることが出来れば理想です。しかし、これを実現するためには在宅医療、在宅看護が必要不可欠です。簡単に言えば「往診」をしてくれる医師がいるかどうかが問題です。
全国でも、医師・歯科医師の往診が充実している地区は在宅介護も普及しています。今後は行政がその仕組み作りを担い、積極的に関与することにより、医療・介護が、医師・歯科医師・看護師・ケアマネ・民間事業者(株式会社等)等と一体となった大きな枠組みの中で進められることが期待されています。
今後は、介護ビジネスを始めようとする事業者と既存の医療法人・社会福祉法人等を結び付けるコーディネイトも必要です。医療・介護が不安なく回る仕組み作りが大切です。医療・介護は限られた資源(人の手でしか出来ません)です。人を育てることも重要な課題です。
この記事へのコメントはありません。