8月27日の午後1時から、内容情報化社会の中での人権への配慮や人権侵害に当たる事案などを中心とした人権全般について、議長(前任の可児議長)の指示により人権啓発研修会が開催されます。
講師は法務局に依頼中ですが、何故このような研修を行うかと言うと、以前一宮での殺人事件での被害者が可児市出身であることから、その被害者の卒業アルバムを探している「NHKの記者である」と名乗る女性から多くの議員のところへ電話がありました。私のところへも携帯に電話があり唐突に「2002年(記憶が曖昧ですが)の東濃実業高校の卒業アルバムを探しているんです。お持ちじゃありませんか?」「もってない」と答えると「じゃ持ってそうな人を紹介してください」と返ってきました。そこで私は「あなた誰ですか?見ず知らずの人に個人情報に係わるものを渡すはずがないでしょ。おれおれ詐欺じゃないの?」と怒鳴りつけ電話をきりました。
次の日は議会全員協議会があったので、この件をみんなに報告すると、多くの議員のところに電話があったようで、みな一応に「非常識な依頼だった。しかも公職である議員にあのような依頼をしてくるとは呆れたものだ。ほんとにNHKの記者かどうか疑わしい」など、それぞれの議員が同じような感想を持っていました。
この話はこれで終わったと思っていたところ、市内の人権擁護委員の方から正副議長宛に怒りの抗議文が届き、「とある議員が自身のブログの中で被害者の人権を無視し、マスコミからの依頼を受けアルバムを探した事実が掲載されている。公職である議員がこのような事をしてもいいのだろうか、人権について考えてみてほしい」との趣旨の内容でした。
その後、その人権擁護委員ご本人とも正副議長で面談し、一時間ほど話を聞きましたが「被害者宅に群がるマスコミを見てほんとに悲しかった。被害者、そしてその家族の人権が守られないのはおかしい。議会でも人権について考えてほしい」と、静かな語り口調にはその裏に身体が震えるほどの憤りが込められているのを感じました。
個人情報保護法は2003年に成立し、2005年に施行されています。今回のアルバムはそれ以前のもので、名前や住所などの個人情報が記載されている可能性もあります。
また、卒業アルバムなどの写真は製作者やその個人の許可がなくては情報提供できません。マスコミはその提供者を明かすことはないようですが、いくらかの報酬をもらっているかはわかりませんが、このような行動は慎むべきです。
その後この件を含め3件の議員倫理に関する問題(3件ともこの議員の関係)が提起され、議会運営委員会で協議しその議員のブログを議会HPのリンクから外すことが決定されました。
もともと議会のHPは議長が管理責任者であり、HPからリンクされているため今までは事務局が内容をチェックしていました。これはあきらかに余分な仕事であり、議員個人が発行する通信などと同じものを議会の責任として管理するのはおかしなことです。ましてや誰でもが書き込みができる状態のものを議長が責任を持つことは不可能です。結果第一段階として、問題のブログをリンクから削除し、その後全員の削除となりました。
このような事があり人権啓発研修会を開くことになりました。その後なぜだか理解できませんが、その議員は自ら立候補して委員長となった役職を辞任しました。その宣言を委員会の情報交換の場として利用しているSNS(サイボウズ)で高らかと宣言し、任期途中で放り出した挙句、今度はなんと副議長に立候補してしまいました。これには替って委員長を務める議員さんから、きつい意見が出されましたがほとんどの議員は「もっともな意見だ」と思ったことでしょう。
何はともあれ、これを契機にして人権啓発研修会が開けたことは大きな収穫です。全員協議会終了後の研修なので全員が参加しますし、いい機会を得たと内心では感謝しています。
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