憲法記念日に各地で集会が開かれているようです。中でも護憲派の集会が著名人も参加して活発な様子ですが、なぜか議論は憲法9条に集中し「平和を守る!戦争はしない!集団的自衛権反対」などが叫ばれています。「ちょっとまって!」と言いたいのは、憲法改正はなにも9条だけの問題ではありません。
9条改正には多くの時間を使い国民的議論が必要であることは明白です。国民が圧倒的に支持し、先の衆議院選挙で再選された安倍政権が集団的自衛権行使を決定し、訪米した安倍総理は米政府から歓待を受けました。集団的自衛権に対し可児市議会では以下の意見書を提出しています。
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集団的自衛権をめぐる憲法解釈に関する意見書
これまで歴代の政府は、従来からの集団的自衛権の行使を認めないという憲法解釈に立って、体系的な議論を維持してきました。しかしながら安倍首相は、私的諮問機関である「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」が提出した報告書を受けて、集団的自衛権の行使容認を閣議決定する方向で与党協議が行われている。
今後、仮に従来の政府の立場を変えたいとするのであれば、なぜ変えることが必要なのか、どのように変えるのか、変えた結果が国民や同盟国、近隣諸国、国際社会にどのような影響を及ぼしていくのかなどについて、深く、慎重に検討していく必要がある。
あわせて国民の理解を得る必要、国際社会に理解を促す努力が求められる。
時の政権によって憲法解釈の変更が安易になされてよいとするのであれば、憲法の国家権力を規制するという最高規範としての存在意義すら危ういものとなる。
よって、集団的自衛権をめぐる憲法解釈に関しては、国民的議論抜きに政府による憲法解釈の変更がなされることがないよう強く要望する。
以上,地方自治法第99 条の規定により意見書を提出する。
平成26 年6 月26 日
岐阜県可児市議会
衆議院議長 伊吹 文明 様
参議院議長 山崎 正昭 様
内閣総理大臣 安倍 晋三 様
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地方議会からの意見書がどれほどの効力を発揮するか解りませんが、各地の議会からこのような真っ当な意見書が提出されれば政府も考えざるを得ないと思います。
憲法改正は地方自治の強化や今の日本の実情から見ても必要です。地域主権の実現には、地方自治体の財源面での自主・自立が必須条件であり、住民が「受益と負担」の関係を実感できるようにしなければ地方自治の真の意義はありません。憲法で、地方自治体の財源保障を明記することが不可欠です。また、低成長の経済に移行したにもかかわらず、政府(国・地方を含む)は肥大化したままで、GDPの約一・五倍という主要国の中でも突出した借金残高を抱え、その解決の目処が立たないという深刻な状況に陥っています。少子高齢社会、人口減少社会を迎えたこの国にとって、明るい未来はありません。そこで、「小さな政府」の原則を明確にして、政府機能の縮小・再編を図ることが必要です。これら地方自治に関わる点において憲法改正は早急に考えなければならない問題です。
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