地方議会の在りかたを問題視する興味深いコラムがあったので紹介します。
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地方議会の実態を一言で表現すれば、「怠け者の楽園」だ。皆で仲良く手抜きするというのが、いわば暗黙の了解事項となっている。議員本来の活動に真剣に取り組む人はごくごく一握りで、しかも彼らは周囲から冷たい視線を浴びている。圧倒的多数の仕事をしない議員にすれば、迷惑で目障りな存在でしかないからだ。
そうした面々に足を引っ張られることも多く、議員活動を真面目にやればやるほど、逆に不自由を強いられるはめになる。その代表的な事例が、議会での一般質問だ。
地方議会の役割の1つが、執行部に対する監視と言われている。その役割を果たすためのツールの1つが、議場での一般質問である。首長ら執行部と対峙し、様々な質問や意見を直接ぶつけて回答を求める場である。議員活動の根幹を成すもので、日頃の調査・研究・学習の成果を発揮する晴れの舞台とも言える。それゆえに、議員の質問の機会は可能な限り認めるのが、議会本来のあるべき姿であろう。
もちろん、それは質問したいという議員の申し出を極力、認めるべきという意味であり、執行部に聞きたいことがこれと言って浮かばないという不勉強な議員に質問を義務付けろ、ということではない。そんなことをしても、やらせ質問が増えるだけで意味はない。
ところが、議員の一般質問に制限を設けている地方議会が少なくない。執行部側が議員にアレコレ質問されることを嫌がり、質疑応答の場面をできるだけ少なくしたいと考えるのはよくわかる。彼らにとって隠したいことや言いにくいこと、知られたらまずいと思っていることが山ほどあるからだ。
答えは2つある。1つは「怠け者の楽園」を変えたくないという思いである。快適なぬるま湯から上がるのは嫌なのだ。そしてもう1つが、執行部との馴れ合い体質である。実はこの2つ、コインの裏表の関係となっている。そして、二元代表制の本来の機能を阻害させる最大の要因ともなっている。
ある自治体の幹部から、こんな本音を聞かされたことがある。「我々にとって一番良い議員というのは、勉強しない議員です」――。
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「怠け者の楽園」=地方議会という衝撃的な表現ですが、的を得ていることも事実です。市民に身近な地方議会がそんな議会となっていないか住民の監視機能を働かせることは大切ですね。県議会などは近くて遠い存在ですが、その中身は「怠け者の楽園」と表現されても仕方がない実態があります。
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