早稲田大学マニフェスト研究所のモットーは「議会間の善政競争」です。それを促すために議会改革度ランキングを調査・公表したり、マニフェスト大賞で表彰を行ったりしています。その裏には「地方議会が本気で頑張れば、日本はもっとよくなる」という考え方があり、私も同感しています。この度のランキング公表に関し、以下の考察が発表されました。情報を共有し次ステップに進むことはとても大切ですね。
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▽上位議会の特徴
▼1位 芽室町議会(1位)
議会活性化計画、議員研修計画、政策形成サイクル計画を策定。それぞれを検証しインターネット上で公開している。大学連携・モニター制度などサポート体制も強化。
▼2位 大津市議会(18位)
議会版実行計画としてミッションロードマップを策定。ICTを活用した戦略的な広
報も注目される。全国初・大学図書館との連携も実現し、調査研究機能を向上させた。
▼3位 四日市市議会(3位)
市民参加を推進。各常任委員会が年間白書を作成するとともに、所管調査テーマを市民から募集している。重要な議案についてもHP上で公開し審議前に意見を募集している。
▼12位 兵庫県議会(62位)※都道府県内1位
政務活動費など情報共有が進んでいる。各常任委員会と県民との意見交換を実施し調査報告書で意見を反映させ提言をまとめている。議会改革の検証もネット公開している。
▽結果速報(経年比較)
・議会基本条例の制定 46% ← 41%
・議会が住民と直接対話する場の開催 47% ← 48%
・領収書(政務活動費)のネット公開 6% ← 3%
・女性議員比率が3割以上 4% ← 3%
▽結果速報(トピックス)
・シティズンシップ(未成年)推進の取組みを実施 39%
・地方創生に関する提言書を提出 6%(何らかの取組みを実施 38%)
・過去3年間に政策型議員提案条例を制定 15%
・議会報告会等での住民意見を政策につなげる仕組み 14%
▽舛添問題で話題の「一問一答」導入割合は?
都道府県:導入(実績あり)70%、導入(実績なし)0%、導入なし30%
全 体:導入(実績あり)78%、導入(実績なし)1%、導入なし21%
▽全体傾向(速報)
議会基本条例を制定した議会が46%に増加し半数に迫っている。一方、自己検証は10%にとどまり、運用面が課題といえる。選挙権年齢が18歳以上に引き下げられたことを受け、4割近くの議会でシティズンシップ推進の取組みが行われた。地方創生について何らかの取組みを行った議会が38%あったが、提言書の提出は6%にとどまった。
▽調査の視点・特徴
地方創生時代において目指すべき議会を「地域課題を解決する議会(住民の役に立つ議会活動)」に設定し、設問・配点を見直した。制度の有無だけでなく、PDCAサイクルなど運用面や、具体的な政策提言につながっているか、調査研究のための環境整備ができているか、などを追加ポイントとした。
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