二元代表制について私見を交えて説明します。国の議員内閣制とは違い、有権者が直接選挙で首長と議会を選ぶのが二元代表制です。分かり易く言えば大統領制ということです。首長は執行権、予算編成権、人事権等を持っており、絶対的権力者となるわけです。議会も同じ有権者から選挙で選ばれた議事機関・議決機関ですが、その役割は市民が日常的に首長をはじめとする執行部をチェックできないため、執行部の監視と評価をすることを目的として選挙で代表を選出するわけです。よって二元代表制の議会では与党や野党的な考え方は好ましくありません。あくまでも中立公正で、市長案に対して是々非々な対応で、常に市民福祉の向上を念頭に入れ、執行部案がより良いものとなるよう議論をすることが議会の基本です。
下の図は私のオリジナルで大学などでも使われています。二元代表制は車の両輪と言われますが、それは少し違うと思います。市民号を運転しているのは選挙で選ばれた首長で、助手席に座っているのは議会です。自動車学校の教習者を想像してみてください。首長はハンドルとアクセル、ブレーキを操り車を自分の行きたい目的地に向けて運転しています(これがマニフェストです)、首長がアクセルを踏みすぎたらブレーキをかける。スピードが遅かったらアクセルを踏む。左へ曲がりそうになったら、そちらは危険だから右へ曲がって遠回りしてから目的地へ行きましょうとハンドルを切り直す。教習者の教官の役割を果たすのが議会です。また、そこには必ず民意を反映して、という大前提があります。
議員は地域や政党などを代表して活動することを前提としており、決して代理ではありません。よく「政党を代表して」とか「地域を代表して」と発言する議員がいますが、それって代表じゃなくて代理となっていませんか?ということが多々あります。代表は結果責任を果たすことが原則です。議会が決めたことは議会が説明責任を果たす。議員の賛否理由は議員が説明する。当たり前の事ですがこれが出来ていません。議決しておいて説明責任は執行部では議会の体を成していません。議員間の「熟議」があってこそ説明責任が果たせるわけで、こんな当たり前の事が出来ていない議会が圧倒的多数です。東京都議会議員は報酬、政務活動費、費用弁償等で年間2,700万円を手にするといわれます。「怠け者の楽園」の親分のような存在ですが、今回の選挙でどう変わるか注視していきます。小池都知事の代表辞任は当然のことですが、今後都議会に対して議会提案や議案修正に対し寛容にかつ真摯な態度で臨んでもらいたいと思います。議会がそこまで出来るかは未知数ですが・・・・・早速、減税日本のような不祥事が起きそうな雰囲気もありますが、新人議員がどこまでやるかこちらも注目です。
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