?茨木市
茨木市の地域福祉ネットワークの構築については、市民の福祉ニーズや生活課題が多様化・複雑化し、行政による公的なサービスの支援だけでは限界が生じ、持続可能な福祉都市の実現のために、自助・共助・公助の適切な役割分担のもと、地域社会全体で福祉を担うことを目的に、地域住民と行政が協働して取組む仕組み作りが進められている。先ずは地域におけるネットワークづくりを行い地域福祉ネットワークを充実させるため、小学校単位で設置していた健康福祉セーフティーネットを基盤として新な事業展開を行った。既存の公民館等に総合相談窓口を設置し、民生委員・児童委員が相談に応じ、市のケースワーカーや保健師を割り当て、地域での相談支援体制の強化を図った。また同時に、ボランティア活動の担い手づくり、地域の活動拠点づくりも行っている。
従来の高齢者福祉セーフティーネット(在宅介護支援センター)から、健康福祉セーフティーネットワーク(いきいきねっと)へ拡充し、対象者を「高齢者」から「すべての要援護者」へ変更し、事務局を「在宅介護支援センター」から「コミニュニティーソーシャルワーカー(CSW)」へ移した。この事業は社会福祉法人、公益法人、民間事業者等が実施しCSWを配置、CSWは社会福祉士、介護支援専門員、介護福祉士、保健師、看護師などで地域福祉の計画的推進への支援やセーフティーネット体制づくり、要援護者に対する見守り・相談を行い、市への情報提供をおこなうものとなっている。
地域福祉ネットワークはCSWを中心に、公民館など拠点施設に民生委員・児童委員(2時間で1000円の謝礼)による総合相談窓口を開設し、要援護者の相談に応じるとともに発見を行う。地区福祉委員会(自治会・老人クラブ・PTA・障がい者相談員・NPO・医療機関等々で組織するもの)において問題や課題について話し合いの場を設け解決していくものである。
CSWの活動状況は平成24年度で、相談者数1,267人、延べ件数は5,130件となっている。相談対象者は高齢者2,722件、障がい者955件、子育て親子317件、ひとり親家庭親子306件、DV174件などとなっている。
今回視察した福祉まるごと相談会は、福祉を切り口にして地域住民のよろず相談的な窓口となっており、件数は少ないが会話の内容は充実しているとの報告があった。よろず相談窓口のワンストップサービス地域版といった様相を呈していた。
可児市においても茨木市の地域福祉委員会と同じような機能を持った地区社協が存在する。市内各地域で福祉に関する問題・課題の違いがあり優先度がまちまちではあるが、地域で相談窓口を開設することは不可能ではないが、やはりここでも民間事業者の存在が浮かび上がってくる。公民館をコミュニティーセンター化(地域で指定管理者)することで、これら事業の推進に拍車がかかったとの説明があった。本市でもモデル事業として取組んでみるべきものであると認識した。
この記事へのコメントはありません。