いつ読んでも素晴らしい挨拶ですね。1999年知事に就任した片山善博氏が初となる臨時議会での挨拶です。この挨拶文も私のバイブルの一つです。
>
新しい議会の始まりに当たり、一言ごあいさつ申し上げます。
議員の皆様方におかれましては、去る4月11日の県議会議員選挙において、県民多数の支持によりめでたく当選の栄に浴されました。衷心よりお慶び申し上げます。
また、先ほどの正副議長選挙により、新たに選任された広江議長及び広田副議長に対しまして心からお慶び申し上げます。議会運営の重責を担われるに当たり、存分の御活躍をされますよう期待しております。
私も、知事選挙におきまして、多くの県民の方々の御支持を賜り、新しい県政を担当することになりました。その職責の重大さを痛感いたしておりますとともに、今清新な気持ちに満ちあふれております。この気持ちを決して忘れることのないよう、新しい県政に全力で取り組む覚悟をしているところでございます。
私は、このたびの選挙戦を通じまして多くの県民の方々と接し、県政に対する意見を伺いました。それらの中には県政がよくわからない、縁遠い、自分たちの意見が通らない、県民の考えとずれているなどの厳しい意見が数多くございました。このことの持つ意味は重大だと私は考えております。なぜならば、県政は本来県民のためにあるべきところを、その県政がわからなかったりずれているのでは、県政が真に県民のためになっていないからであります。
21世紀は、地方分権の時代と言われております。地方分権の時代とは、地域のことを地域の裁量と責任で決める時代です。ならば、これからの県政は県民の意思と判断でその方向を決め、最終的な責任は県民に負っていただかなければなりません。そのためには県政は県民に縁遠いものであってはならず、県政は真に県民のためのものでなければなりません。私が県政に関する情報を公開し、開かれた場での議論を大切にし、その中から県民の合意を見出し、県政のあり方を決めていくということを強調してやまないゆえんでもございます。
私は、県政に対する議員各位の率直で忌憚のない意見と判断を求めます。私が議会にお諮りする案件について、県民の意思が他のところにあるとすれば、ためらうことなく修正を加えていただきたいと思います。また、私がお諮りしない案件につきましても、県民の意向を踏まえて必要があれば議員各位の発議により条例の制定などに取り組んでいただくことを望みます。これらのことでの遠慮は私には無用でありますし、これがそもそも我が国地方自治制度が想定している議会本来の姿でもございます。
県政にずれがあるとすれば、それはもちろん執行部の責任でありますが、同時に議会の責任でもあります。私は県民の代表として、真に県民のための県政を実現するため全力を尽くします。議員各位におかれても、同じく県民の代表として県民の総意を県政に反映させるべく、積極果敢な議会活動を展開されることを切望する次第でございます。
以上、本日の新しい議会の始まりに際し、私の新しい県政に臨む姿勢の一端を率直に申し上げました。非礼の談があればお許しいただきたいと思います。ありがとうございました。
<
17年も前に議会に対して、このような考え方を持っていたリーダーは、ほんとに少数であったろうと思います。
この記事へのコメントはありません。