視察所感 川上文浩
シチズンシップフォーラム2017
今回のフォーラムは問題提起として中村健氏より「地方創生時代に選挙管理委員会、教育委員会、自治体議会の役割は変わった」があり、今後18歳選挙権も含め選管、学校や地域、自治体や行政の主権者教育への積極的な取り組みが必要であると再認識した。次に基調講演では「検証・参院選:18歳選挙権、主権者教育はどうだったのか」と題し林大介氏(模擬選挙推進ネットワーク事務局長、東洋大学助教)は、社会の担い手として主権者を育てることが必要で、子どもは有権者ではなくても主権者であり、子どもを市民にすることの重要性を述べられた。まさしく可児市議会が行っている高校生議会を起点とした地域課題懇談会やママさん議会などが今社会に求められている。また、先生からの提案で議会報告会を高校や中学校で行ってはどうかとの意見が出された。しかし、それを実施するには子供たちにも理解できる内容が求められるため、高校生議会や地域課題懇談会を行うことで、その機能を果たすことができると考える。
実践事例では「全国初の条例設置による若者議会が目指す、若者が主役のまちづくり」新城市では、若者政策係を設置し若者条例を整備した。若者議会が誕生し平成28年度には新城図書館のリノベーションなど1000万円の予算を執行し、その提案を具現化した。可児市においても今後これらの取り組みに期待が膨らむ。宮崎県では県の選管が参院選で約4千人の生徒が投票:模擬選挙執行マニュアルの作成・周知を行った。県の選管が自ら事業を行う珍しい例であり、今後県単位での取り組みが期待される。クラーク高校では全国3千人アンケートを行い、国内6つのキャンパスで模擬投票を行った参議員選挙の模擬投票では1,725名が参加、多くの生徒の主権者意識向上に繋がった。今後は主権者教育の連携体制の構築とその型を作ること(主権者教育のプラットホーム)通年で政治意識を向上できる仕組み作りに取り組む。可児市議会が持つ若い世代との交流サイクルはとても大切なことだと痛感した。
東村山市議会
東村山市は17㎢の面積に15万人が暮らす首都圏の市である。議会は25名でうち10名が女性議員で全体の41.7%と理想的な議会構成となっている。そのあたりの理由は、以前より女性議員が多かったとのことだが、もう少し掘り下げて調査することが必要かもしれない。東村山市議会の議会基本条例の検証は議員間で議論し市民アンケートを実施したうえで再議論を行い意見をまとめている。議会報告会は条例により毎定例会後に行っており、タイトなスケジュールで行っていた。開催に当たり議会として街頭啓発を行ったり、公共施設や駅にポスターを掲示するなどPR活動を行っている。車座やグループ型式、平日や休日、中間や夜間の開催をしている。可児も同じだが結果は参加者人数はあまり変わらないとのこと。
対話でまちが繋がる2日間
牧ノ原市、新城市、可児市(NPO縁塾)、山形市(東北芸術工科大学)、御前崎市による事例発表があった。それぞれ、市民主体のまちづくりを実行するため、市民団体やNPOが行政と協働で対話の場を作っている。その場には必ず高校生が主体となった若者が参加し、未来に向けて若者が住みたくなるまち、元気なまちをつくるための議論が進められている。今回のワークショップに参加して、私が提案した課題がテーマとして取り上げられた。「このような場をどのようにして若者や地域に広げていくか」について第3分科会として8つのグループが議論を進めた。・参加したときにときに特典をつける・部活単位で参加・高校生が中心に繋がる・機会の確保と世代間交流・成果を見える化し発進力強化・個人の魅力で磁石のように引きつける・授業やイベントで意図的に仕掛ける・SNSでネットワークづくり・先ずは大人が本音で話す・地域の課題とビジョンを共有する・小・中・高・大・地域で連携・ボランティアで地域に赴く等々、様々な意見が出された。これらの意見を参考にし、早速、可児商工会議所会頭と懇談し、駅前拠点施設オープンに伴い駅前や駅前線を利用して何かイベントが出来ないか意見交換を行った。今後は高校生議会、地域課題懇談会、ママさん議会などを通して来年のオープンイベントに向けて議論を進めていく。
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