2025年までに全国で15万床の病院ベットの削減を各都道府県が掲げました。岐阜県でも3507床の削減を目指します。放射線技師の私からすると、CTやMRIの設置数は世界一で医療施設は整っているのと、患者数も人口比にすると世界一かそれに近いものがありますが、医師数は少ない方になります。医師や医療従事者への負担が大きい現状がここに見て取れるわけですが、先日視察に行った舞鶴市の例を簡単にまとめてみました。
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一般財団法人舞鶴地域医療連携機構は、本市地域医療充実のため、市内公的病院間、病院と診療所間の連携強化や救急医療体制の確保、医師確保対策を推進しているが、中丹地域医療再生計画の進捗等、本市地域医療の状況を踏まえ、より一層効率的に取り組みを進めるため、舞鶴市地域医療課が事務局となる「舞鶴地域医療推進協議会」に改編した。 連携機構がこれまで担ってきた機能・役割は、本協議会が継承している。 一般財団法人舞鶴地域医療連携機構は、本市地域医療の充実を目指して、連携体制の基盤強化を図り、医療機関相互の機能分担と連携を推進するとともに、救急医療体制の充実、医師確保等に寄与する取り組みを進めてきた。平成28年度においては、設立者である舞鶴市が今後の取組みを推進する上で、より一層効率的・効果的な業務の執行・推進体制を確立するため、法人の解散を踏まえた組織改編を実施したい意向である。このため、これまで連携機構が取り組んできた事業は舞鶴市及び後継となる組織に引き継ぐこととし、連携機構は平成28年6月末で法人を解散し、その後、清算に向けた手続きを進める。また、京都府の補助事業である「原子力災害時等における患者情報バックアップ事業」については、平成27年度から事業の準備を進めており、継続して実施する。なお、平成27年10月から指定管理者として管理・運営を担っていた「舞鶴市休日急病診療所」については、平成28年度からは、開設者である舞鶴市が管理・運営業務を直営で行う意向であり、平成28年3月末をもって指定期間を終了している。
舞鶴市域には、公的4病院が並存し急性期の病床数が過剰であることから、市域全体の病床削減を図るとともに、東西の医療バランスに留意しつつ、医療機能の「選択と集中」、「分担と連携」による舞鶴市地域医療の再生という基本的な考え方に基づき、各公的病院や市が医療機能の充実・連携に向けた取り組みを行う計画となっている。医師不足と看護師不足の中、一般的に医師や看護師を新たに獲得することが難しい時代になってきている。このような環境においても、医師を確保し、質の高い医療サービスを提供し続けるためには、まずは中丹医療圏における舞鶴市の医療提供体制をしっかり立て直す必要がある。そのためには、舞鶴市内の東西バランスに留意しつつ、個々の病院の特色ある分野の機能充実により、各疾患別センター化を図る等、公的4病院の機能再編を推進するとともに、舞鶴市が主体となって「舞鶴地域医療連携機構(仮称)」を設置し、病院間の連携強化を図ることにより、全体として有機的に機能する体制を構築する。また、舞鶴市が主体となって一次救急の拠点機能を整備して、舞鶴市域における救急医療体制を強化するとともに、府立舞鶴こども療育センターの移転・活用により、小児医療の充実を推進する。その一方で、人口減少等将来の医療需要動向をにらみ、各病院の協力の下、市域全体の病床数の削減を図ることにより、人口対10 万人対病床数を京都府全域の平均レベルに近づけるとしている。舞鶴市は多々見市長の公約により市内10万人で4つの公的病院(1300床)を有することから、患者減少により多額の赤字を計上するようになった。そのため4つの病院を1つないし2つにする必要に迫られたが、舞鶴地域医療のあり方検討委員会を立ち上げ、4つの病院の特徴的機能を充実して病院間連携をとり、得意な診療科で高い専門性を追及するとともに、軽い疾病に対しても4病院で対応できる体制を整えた。また、病院間循環バス網を整備することにより、病院利用者の移動しやすい環境を整備した。先にも述べたが今後は京都府北部の5市2町による30万人都市圏を機能させることにより、広域連携の充実と強化でこの地域の発展を目指す。元市民病院の院長である多々見市長だからこそ成せた地域医療改革であるが、医療の広域連携について可茂地区や東濃地区との連携も考えていく時期に来ていると考える。
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国が医療市場を見誤った感がある現状に対し、地方自治体が協力し地域医療を再構築する必要があるようです。医療は限りある資源と位置付けて枯渇しないように大切に使っていく必要があります。
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